日帰り白内障手術

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白内障とは

白内障は眼の中の本来透明であるレンズ(水晶体)が濁ってきて視力が低下する病気です。白内障の患者さまは濁ったレンズ(水晶体)を通して物を見ることになりますので、摺りガラス越しに物を見ているような見え方をします。

すなわち、
・もやがかかったように見える
・ぼやける
・光がまぶしい
・ピントが合わない
といった症状が出てきます。

しかし、白内障は突然物が見えなくなるわけではなく徐々に進んできますので視力低下に気づかない患者さまも少なくありません。ですから「最近何となく見にくい」と感じて眼科受診をしてみたら、いくら度を上げためがねを合わせても0.4や0.5しか見えなかったといったパターンがよくあります。

また視力が1.0と良好な方が白内障になっていないとも言い切れません。要するに視力だけで白内障の診断はできず、緑内障と同じで健康診断や人間ドックでも白内障の診断は難しいのです。

白内障はしわや白髪が増えてくるのと同じで歳をとると避けられない病気です。やはりある程度の年齢になってくると定期的な眼科受診が必要になってきます。

治療方法

初期の白内障では点眼薬を使用します。
ただし、点眼薬は白内障を治療して視力を改善する働きはなく、白内障の進行をできるだけ遅らすのが目的になってきます。しかし点眼薬を使用していても白内障は進んでいくことが多く手術が必要になってくることがよくあります。

手術の内容

点眼薬には限界があり、視力の改善を考えるなら手術しかありません。濁ったレンズ(水晶体)を取り出し、透明の人工の眼内レンズを入れるという手術です。当院では日帰りで手術を行っております。一昔前は眼の後の方まで長い針を入れて麻酔をして、水晶体を丸ごと取り出していたので1cm以上切らなければならず、しかも手術時間は30分、40分もかかっていました。術後は顔を固定したり痛みが出たりという手術でした。

しかし手術器具の発達、医療技術の進歩によって手術の仕方が大きく変わりました。当院においても新しい機械を導入しており患者さまの負担ができるだけ少なくなる様に配慮しております。麻酔は点眼麻酔で、時間は眼の状況によりますが大体10分から15分です。痛みもほとんどありません。痛みを感じたとしても最初に一瞬チクッとするだけです。切開も黒目と白目の間くらいの場所で3ミリ切るだけです。3ミリの穴から水晶体を小さく砕いて吸い取るのです。人工のレンズも直径6ミリですが当院では柔らかい素材の物を使用しますので丸めて入れて中で拡げるようにします。自然にひっつくような切り方をしますので縫合しません。ですから術後糸でちくちくする様なこともありません。うまくいけば翌日眼帯をはずした瞬間からよく見えます。

手術後の注意点

最近の白内障手術はリスクが少なく、また患者さまの負担もとても少ないもので、かなり楽にはなってきました。しかし合併症がない訳ではありません。とても怖いのが術後眼内炎、すなわちばい菌が目に入ってしまうことです。眼にばい菌が入ってしまうと最悪失明もあり得る事態になってきます。ですからばい菌対策には細心の注意を払っておりますが、本来入院して手術をするところを日帰りで行いますので患者さまにも協力をしていただきたいことがいくつかあります。術後に通院していただく場合があります。

  • 手術当日はしっかりと眼帯をして帰宅していただきます。
  • 絶対に眼帯をはずしたり、眼帯の中に指を入れたりしてはいけません。
  • 当日は入浴、洗髪、洗顔は禁止です。
  • 顔は拭くだけにしていただきます。

その後も入浴、洗髪、洗顔等制限がありますので下の表を参考にしてください。

  手術当日
(水)
2日目
(木)
3日目
(金)
4日目
(土)
5日目
(日)
6日目
(月)
7日目
(火)
眼帯 触らない 1日中プラスチック眼帯 就寝時のみ保護めがね なし
水分・食事 術後から可
洗顔 × タオルで拭くだけ 通常の洗顔可
洗髪 × × × 仰向け可(美容院等で) 通常の洗髪可
入浴 × × × 首から下シャワー可 通常の入浴可
化粧 × × × × × ×
散髪 × × × × × ×
パーマ
毛染め
× × × × × ×
点眼 × 医師の指示通りに
× × × × × × 控えめに可
読書
テレビ
× 疲れない程度に

※仕事、運動等はその内容や眼の状況によりますので、その都度お話をさせていただきます。

日帰りが不可能な方

日帰り白内障手術は非常に患者さまの負担が少なく楽に受けられる手術ですが、

1.大きな心臓の病気 2.肺の病気をお持ちの方 3.高齢(80歳程度)の方

…は手術時の合併症が起こる可能性が他の方より高いので入院の上手術をしなければなりません。当院でも日帰り手術は不可と判断した場合は石切生喜病院等、入院施設のある病院を紹介させていただきます。

手術について

以前のように入院することはなく、また痛みも少なく、時間も短く、日帰り白内障手術は非常に患者さまには負担の少ない手術だと思います。

手術の機械・技術が進歩し、楽に手術を受けられるようになりましたので、今は眼が見えなくなってから手術を受けるのではなく、視力はそんなに悪くないが生活・仕事に少し不自由を感じてきたからということで手術を受けられる方が多くなってきました。

手術を受けて明るい世界を取り戻して性格も明るくなり、行動も活発になる患者さまもいらっしゃいます。いつ手術を受けるかは医師の説明を十分に理解して、最終的には患者さまご自身が決めることです。私は手術を受けろとは絶対言いません。しかし、かなり楽に手術を受けられるようになってきましたので、明るい老後のためにも不自由を感じてきたら早期の手術をお勧めします。